2009年12月01日

【研究会情報】「エスノメソドロジー研究のフロンティア――ケアと教育の現場から」

会員の方から研究会情報が来ております。
<以下本文>

関係者各位

このたび、奈良女子大学人間文化研究科では、
「エスノメソドロジー研究のフロンティア――ケアと教育の現場から」
と題しまして、シンポジウムを開催する運びとなりました。
ビデオエスノグラフィ・会話分析・概念分析という手法を用いて、
ケアと教育の現場というフィールドのフロンティアを切り開きつつある、
3人の研究者の意欲的な報告を手掛かりに、
エスノメソドロジーの原点と将来を考えるシンポジウムです。
新年早々ではありますが、ご参集いただけますよう、
よろしくお願い申し上げます。

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シンポジウム「エスノメソドロジー研究のフロンティア――ケアと教育の現場から」

◆主催: 社会生活環境学専攻社会・地域学講座
○連絡先: 栗岡幹英 0742-20-3773 kurioka@cc.nara-wu.ac.jp
◆日程: 2009年1月10日(日)
◆時間: 13時30分〜17時30分
◆場所: 奈良女子大学人間文化研究科会議室(F棟5階)
(近鉄奈良駅下車、徒歩5分)
○奈良女子大学までのアクセス
http://www.nara-wu.ac.jp/accessmap.html
○キャンパス内地図
http://www.nara-wu.ac.jp/campus.html

◆メンバー紹介:
(メンバーのプロフィールは、下記をご参照ください)
主催:  栗岡幹英(奈良女子大学)
司会:  鶴田幸恵(奈良女子大学)
登壇者: 
樫田美雄(徳島大学)
戸江哲理(日本学術振興会)
前田泰樹(東海大学)
コメンテーター: 
須賀あゆみ(奈良女子大学)
小宮友根(明治学院大学)
中河伸俊(大阪府立大学)

◆スケジュール:
(報告のタイトル・要旨は、下記をご参照ください)
13:30 開会の挨拶(栗岡)
13:35 趣旨説明・メンバー紹介(鶴田)
13:45 第1報告(樫田)
14:20 休憩
14:30 第2報告(戸江)
15:05 第3報告(前田)
15:40 休憩
16:00 コメント(須賀・小宮・中河)
16:30 討論
17:20 閉会の挨拶(栗岡)

※なお、18時より懇親会を予定しております。
こちらも、ふるってご参加くださいませ。

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◆報告要旨

●第1報告(樫田美雄):
「教室のビデオエスノグラフィー
――自閉症スペクトラムと思われる小学生をめぐる相互行為分析」

ビデオエスノグラフィーとは、ビデオを用いたエスノメソドロジー・
会話分析をエスノグラフィーの十分な実施によって充実させていく方法である。
同方法で、教室内における「発達障害」児と周囲との相互行為分析を行った。
結果として「障害」を前提としない形で、教室内「秩序」の記述が可能となった。
例えば、朝の会では、A君の行為(自己刺激による自己なだめや、
環境の変化への抗議)は、教室の他のメンバーに当初無視されていたが、
後に注目される。その状況を詳細に示したい。

●第2報告(戸江哲理):
「子育て支援と会話分析
――乳幼児をもつ母親たちの会話について」

本報告は、ケアのひとつの場面である、子育て支援サークルにかんするものだ。
子育て支援サークルとは、乳幼児(0〜3歳ぐらい)をもつ親(主として母親)が、
あつまって、他の親やスタッフと話をし、くつろぐ場所といえる。
報告者はこれまで、この場所における母親・子ども・スタッフの3者の、
コミュニケーションをビデオカメラなどで収録し、
これを会話分析の手法で検討してきた。
本報告でも、母親と子どものペアが居合わせるという、
この場面特有の現象を取り上げたいと思っている。

●第3報告(前田泰樹):
「(仮)医療実践の概念分析」

報告者は、いわゆる「他者理解」の問題のような、
方法論や理論になじみ深い問いを考えながら、
それを実践の参加者たちにとっての課題として考えてきた。
たとえば、医療や看護の実践において、患者(や病者)によって語られる
「痛み」や「不安」はどのように理解され、受け止められるのかということは、
参加者たちにとって重要な課題である。本報告では、
複雑にからまりあった日常的概念と専門的概念の用法に見通しを与えるように、
医療や看護の実践において用いられている人びとの方法論を記述していく
方向性を示したい。

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◆メンバー紹介

◇主催
●栗岡幹英(くりおか みきえい)
○所属: 奈良女子大学文学部教授
○主要業績: 
栗岡幹英(1993)『役割行為の社会学』世界思想社.
栗岡幹英(2001)「薬害被害者手記に見るクレイムの構成」
中河伸俊他編『社会構成主義のスペクトラム』ナカニシヤ書店.
栗岡幹英(2007)「医療系ブログの言説分析――
『医療崩壊派』は何をしているのか」『研究教育年報』
奈良女子大学文学部, 4: 117-133.
○専門領域: 医療社会学、逸脱行動論

◇司会
●鶴田幸恵(つるた さちえ)
○所属: 奈良女子大学人間文化研究科助教
○主要業績:
鶴田幸恵(2009)『性同一性障害のエスノグラフィ――性現象の社会学』
ハーベスト社.
○専門領域: ジェンダー論、セクシュアリティ論、相互行為論

◇登壇者
●樫田美雄(かしだ よしお):第1報告者
○所属: 徳島大学大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部准教授
総合科学部准教授併任
○役職: 日本保健医療社会学会理事
『臨床心理学研究』(日本臨床心理学会機関誌)編集協力委員
日本エスノメソドロジー・会話分析研究会世話人(財務担当)
○主要業績:
樫田美雄(1991)「アグネス論文における〈非ゲーム的パッシング〉の意味
――エスノメソドロジーの現象理解についての若干の考察」
『年報筑波社会学』3: 74-98.
樫田美雄(2004)「エスノメソドロジー・会話分析から見た医師と患者の会話
――患者の同意の共同的達成」『保健医療社会学論集』14(2): 35-44.
http://web.ias.tokushima-u.ac.jp/social/kasida/ronbun/Informed%
20consent%20as%20concerted%20interactional%20accomplishment_in2004.Pdf)
樫田美雄・寺嶋吉保(2003)「インフォームド・コンセントに家族はどのように
関わっているのか――エスノメソドロジー的検討」『社会学年誌』44: 33-55.
樫田美雄(近刊)「病院にいく――医療場面のコミュニケーション分析」
好井裕明・串田秀也(編)『エスノメソドロジーを学ぶ人のために』世界思想社.
○専門領域: 医療と福祉のエスノメソドロジー、高等教育研究、
認知症者研究、障害者スポーツ研究

●戸江哲理(とえ てつり):第2報告者
○所属: 日本学術振興会特別研究員(京都大学)
○主要業績:
戸江哲理(2008)「糸口質問連鎖」『社会言語科学』10(2): 135-145.
戸江哲理(2009)「乳幼児をもつ母親どうしの関係性のやりくり
――子育て支援サークルにおける会話の分析から」『フォーラム現代社会学』8:
120-134.
○専門領域: コミュニケーション論、家族社会学

●前田泰樹(まえだ ひろき):第3報告者
○所属: 東海大学総合教育センター准教授
○主要業績:
前田泰樹(2008)『心の文法──医療実践の社会学』新曜社.
(紹介頁: http://emca.jp/books_2008maeda.php
前田泰樹・水川喜文・岡田光弘(2007)『ワードマップ エスノメソドロジー
──人びとの実践から学ぶ』新曜社.
(紹介頁: http://emca.jp/books_2007wordmap.php
酒井泰斗・浦野茂・前田泰樹・中村和生編(2009)『概念分析の社会学
──社会的経験と人間の科学』ナカニシヤ出版.
(紹介頁: http://emca.jp/books_2009concept-analysis.php
○専門領域: コミュニケーション論、医療社会学、理論社会学

◇コメンテーター
●須賀あゆみ(すが あゆみ):主に会話分析の視点から
○所属: 奈良女子大学文学部言語文化学科准教授
○主要業績:
須賀あゆみ(2007)「指示交渉と『あれ』の相互行為上の機能」
溝越彰他(編)『英語と文法と――鈴木英一教授還暦記念論文集』開拓社,
pp.157-169.
○専門領域: 言語学、会話分析

●小宮友根(こみや ともね):主にエスノメソドロジーの視点から
○所属: 明治学院大学非常勤講師
○主要業績:
小宮友根(2009)「行為の記述と社会生活の中のアイデンティティ」
『社会学評論』60(2).他.
○専門領域: エスノメソドロジー、ジェンダー論

●中河伸俊(なかがわ のぶとし):隣接領域との関係から
○所属: 大阪府立大学人間社会学部教授
○主要業績:
中河伸俊・平英美編(2008)『新版 構築主義の社会学』世界思想社.
○専門領域: 社会問題、社会理論(方法論)

以上
posted by エスノメソドロジー・会話分析研究会 at 18:15| info